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再開
2016.4.27-5.1 SARP演出から
失ってしまった人とどう向き合うのかということは、僕にとってここ数年来の生活上の問題です。さらに悩ましいのは、これから先、喪失は思いがけずしかし確実に訪れ蓄積されていく、という当たり前の事実です。西和賀にいる日々の中で、そうした喪失にまつわる話を町の人々から聞くことがあります。それらの話はときどきユーモアに満ち、少し不思議であったりもします。その話す時の彼らの顔や表情は悲哀にくれるわけでもなく、かといって明るいわけではなく、なんだかとっても不思議な表情をしています。それはかつての人々との再会の表情であるのだ、という話を聞きました。それなら以前にもあったことがあるような気がしました。喪失は当たり前にあることです。取り立てて語るべくもないことなのかもしれません。けれども、生きるものと死ぬものの境界をめぐる不通なようで不断のやり取りを、扱おうと思います。それが当たり前でない人にとっても当たり前にあるものだから。この作品では、出演者には1つ1つが完結した短いお話を語ってもらいます。それらの構成、ひとまとまりを「再開」という作品にします。なので一貫性のあるストーリーを期待されると拍子抜けしてしまうかもしれません。でも、そんな語りの作品を通して、語りの奥底にあるかつての人々と語り手とのつながりを、ギャラリーという小さな場所で少しだけでも見せられたらと思います。
公演情報
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スタッフ |
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